この記事では
・オウゴンエキス
・甘草エキス
・レチノール(ビタミンA)
・AHA
・BHA
について解説しています。
オウゴンエキス
みなさんオウゴンエキスとは何なのか知っていますか?
あまり馴染みのない名前ですが、実はとてもうれしい成分なんです。
ここではそんなオウゴンエキスについてご紹介します。
オウゴンとは
オウゴン(黄芩)は、シソ科のコガネバナ(黄金花)の根の皮を取り除いて乾燥した生薬です。この根から抽出したのが「オウゴンエキス」と呼ばれます。
オウゴンエキスには、抗炎症・抗アレルギー作用などで知られるバイカリン、バイカレインなどが含まれていて、古くから多くの漢方薬に用いられています。
育毛作用を持つため、育毛剤や育毛シャンプーなどにも配合されています。
効果
・抗炎症作用
・抗アレルギー作用
・抗菌作用
・収れん作用
・活性酸素除去作用
抗炎症作用によって炎症ニキビを対策し、抗菌・抗アレルギー作用によってお肌のトラブルを防ぎます。さらに男性ホルモンの分泌を抑制する作用を持つため過剰な皮脂分泌を防ぎ、皮脂トラブルによるニキビ防止にも効果があります。
毛穴の引き締めや美白に効果がある収れん作用や、シミ対策などのアンチエイジング効果を期待できる活性酸素除去作用も持っているためお肌をより美しくする重要な成分といえます。
活性酸素の影響とは?
活性酸素除去作用はオウゴンエキスに含まれているフラボノイドがもつ紫外線を吸収する効果によるものです。
活性酸素とはその名のとおり酸素が活性化したもので、体に悪影響を及ぼします。
お肌に紫外線が当たると、そこに活性酸素が発生します。活性酸素はお肌の細胞を酸化させて正常な働きができない状態にします。それを補うためにお肌はメラニン色素を生み出すのですが、このメラニン色素が皆さんご存知のシミです。
フラボノイドは紫外線を吸収することで活性酸素が発生するのを防いでくれるのでエイジングケアに大きな期待ができると言われています。
喫煙やストレス、食品添加物はもちろんのこと自動車の排ガス、工場の排煙などの環境ストレスなども活性酸素を発生させる原因となりますが、オウゴンエキスが化粧品に使用されることで環境ストレスなどによるAhR-CYPシグナルというものを抑制することが出来るため皮膚の老化を防ぐことが出来ます。
オウゴンエキスは美肌作りに欠かせない作用を多く持ちます。さらに天然由来の成分であるため安全性も高く安心して取り入れることができますね。これからのスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか?
甘草エキス
甘い草と書いて「甘草(カンゾウ)」その名の通り甘みの強い植物ですが、それだけではありません。
甘草エキスはのどの痛みや咳を鎮める漢方薬として利用されています。しかし本当は漢方薬のみならずいろいろな製品に利用されているんです。
ここでは甘草エキスについてご紹介します。
甘草とは?
甘草(カンゾウ)とは、マメ科の多年草の植物で様々な薬効をもち、漢方薬として多く用いられる生薬のひとつです。
その甘草から抽出することで得られる、褐色や黒褐色の水あめのような粘り気のあるエキスが甘草エキスです。
甘草エキスの生薬・甘味成分はサポニンの1種であるグリチルリチンです。この成分は砂糖の約50倍の甘味があるといわれています。
また、抗アレルギー作用、抗炎症作用などの副腎皮質ホルモンに似た作用もあります。
甘草のもつ美白効果
甘草エキスの主成分であるグラブリジンは、メラニンの生成を抑える働きがありるため、甘草エキスには美白効果があるといわれています。
メラニンはチロシナーゼという酵素の働きによって黒色化していわゆるシミやくすみとなりますが、グラブリジンはチロシナーゼの働きを抑制してメラニンが黒色化することを予防します。
この効果から、甘草エキスは化粧品やシミ治療にも用いられます。
中でも肝班によるシミには効果があるとして、皮膚科や美容外科などでもシミ治療に使われることがあります。ただし肝班以外の理由(老人性色素班や炎症性色素沈着など)によって、すでにできてしまったシミの場合、甘草エキスを使ってもシミを消すことは難しいといえます。
最近の研究では甘草から抽出した成分に表情筋を繰り返し収縮・弛緩させるエクササイズと同様の効果があることも発見されているそうなので、顔のたるみが気になる方にもよい成分といえるかもしれません。
天然成分で安心の甘草エキスを用いて美肌を手に入れてみたいですね♪
甘草に関わる成分が含まれているアイテム
・ノブL&W トライアルセット |
レチノール(ビタミンA)
あまり聞き覚えのない名前の「レチノール」。
でもこれがビタミンAのなかのひとつなんだと知ったら急に馴染み深い気がしませんか?
ここではレチノールについてご紹介します。
レチノールとは
ビタミンA は、レチノール、レチナール、レチノイン酸およびこれらの3-デヒドロ体やその誘導体の総称です。
血液中のビタミンAはほとんどがレチノールで出来ていて、元々体内に多く存在するビタミンです。
体内においてレチノールは、細胞の分化、免疫系の機能保持、皮膚・粘膜・視力の維持など正常に体が機能するように様々なところで活躍する重要なビタミンと言われています。
レチノールの特徴
・黄色の結晶体
・油溶性
・分子量が小さい(浸透力がある)
・乾燥・高温などに対して不安定
・酸化を受けやすい
つまりレチノールのままでは安定性に欠けるため化粧品などに配合するのが難しいということです。そのため”パルミチン酸レチノール”や”酢酸レチノール”などの誘導体の形にして安定させて用います。
ビタミンAの種類
レチノールは先ほど述べたように血液中に多く存在するほか、お肌の中にも存在します。
お肌に含まれるビタミンAは9割がパルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどのレチニルエステルと呼ばれるものであり、レチノール、レチナール、レチノイン酸がそれぞれ約3%ずつ含まれています。
- パルミチン酸レチノール
皮膚への刺激は非常に少ないが肌へ浸透しやすい。
安定性は非常に高く安全であり、化粧品などにも配合しやすい。
- 酢酸レチノール
皮膚への刺激は少なく、肌への浸透度は非常に高い。
安定性も非常に高い。
- レチノール
皮膚への刺激、肌への浸透度はともにそこそこといえる。
安定性は上記二つに比べると劣る。
- レチナール
皮膚への刺激は少なく、浸透度はあまり高くない。
不安定なため化粧品などに用いるのは難しいといえる。
- レチノイン酸
皮膚への刺激は強く、安定性は低い。
国内では化粧品に用いることは認められていない。
- ピュアレチノール
不純物が入っていない純粋なレチノールで、高濃度・抗効果・高価格である。
分子がやや大きいため浸透率はよくない。
レチノールの効果
- ターンオーバーの促進
ターンオーバーを促しお肌の表皮を生まれ変わらせるため、シミやくすみ、ニキビ跡などを目立たなくします。
つまりピーリング効果をもたらすため、敏感肌・乾燥肌の方は使用に注意が必要であるといえます。
- コラーゲン産生のサポート
お肌でコラーゲンやヒアルロン酸などを作り出す線維芽細胞を活性化し、コラーゲン等の産生をサポートします。コラーゲンによってお肌にハリやツヤがうまれます。
ただしレチノール化粧品では、お肌の奥深くに刻まれた”真皮ジワ”やほうれい線などを改善することはできません。
私たちの肌は真皮にコラーゲンをもつためハリ・ツヤ・弾力があります。
そのため、コラーゲンが不足するとシワやたるみができます。
しかし、お肌にそのままコラーゲンを添加することはできませんし、そもそもお肌のコラーゲンを増やすのは難しいことです。
真皮に存在するコラーゲンを作り出すサポートをするのがレチノールです。
先に記したように、線維芽細胞に働きかけることでコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進するため、スキンケアやエイジングケアにおいて期待される成分です。
レチノールの注意すべき点
・効きすぎる
シミやシワの対策として注目を集める一方で、注意すべきこともあります。
レチノールは「高濃度」「高浸透力」を謳っている場合には効果が強すぎて肌荒れを起こすことがあるのです。
また、”レチノール誘導体”は通常より浸透力が強く、効果が強く出てしまうので肌荒れや炎症を引き起こす可能性があります。敏感肌の方や乾燥肌の方は特に注意が必要です。
・劣化による効果減弱
レチノールは安定性が高くないため、日光に当たると効果が減弱してしまいます。
保存時もそうですが、お肌につけた状態で日中を過ごす場合もファンデーションなどでしっかりとカバーする必要がありそうです。
レチノールの効果は期待ができますが、ご自身の肌質や、配合濃度などに注意して使う必要がありそうです。上手につきあっていけば良いエイジングケアができるのではないでしょうか♪
ビタミンAが含まれているアイテム |
AHA
「アルファヒドロキシアシッド」の略称、「AHA」という成分ご存知でしょうか?
アルファベット表記のものってなんだろうと思いつつもわからないままということありますよね。
ここではそんなAHAについてご紹介します。
AHAとは?
AHA(α-Hydroxy Acid)は一般的にはフルーツ酸といわれ、グリコール酸・クエン酸・リンゴ酸・酒石酸・乳酸・シトラス酸などの総称として使われています。
フルーツ酸は全て自然由来の酸であるので、細胞にやさしいといえます。
ピーリング効果
角質を柔らかくしたり、除去する効果があるので、化粧品に配合されたり、皮膚科で行うケミカルピーリング、市販されているピーリング化粧品として使われることもあります。
ピーリングとは、皮フの表面の古くなった角質をはがすケアのことをいいますが、AHAを用いたピーリングは数あるピーリングのなかでも、お肌に刺激が少なくやさしいといわれます。
AHAピーリングは角質層から表皮層の浅い層(エステでは角質層までのとても浅い層)までのピーリングに用います。低濃度のAHAは浅いピーリングに有効で刺激も少ないです。
ピーリングは皮膚の角質層の結合力を弱め、古い角質層を取りのぞき、ターンオーバーの乱れを正常に戻します。コラーゲンなどの生成を促進する作用もあります。
これによって、肌のざらつきやゴワつき、くすみなどを一掃し、きれいなスベスベ肌にします。
肌が弱い方や乾燥がひどい方には肌への負担から炎症を起こすことなどもあるため注意が必要です。
古い角質を取りのぞくと一時的にお肌のバリア機能を低下させてしまうので、念入りに保湿等のうるおいケア行う必要があります。
AHAの効果
- 肌の弾力繊維の増殖促進(シワ)
古い角質を取り除くことで新しくきれいな肌の生成が促進され、肌の若返りが期待できます。
- 表皮ターンオーバー(新陳代謝)の促進
積み重なった古い角質を取り除き、肌をやわらかくします。
古い角質を取り除くと化粧水などの浸透率もアップするため保湿効果が上がりふっくらと柔らかい肌に生まれ変わります。
- メラニンの減少(シミ、くすみ)
日焼けによるメラニンのシミ・くすみ、乾燥によるくすみ、古い角質の堆積によるくすみを取り除いて改善します。
お顔全体の印象が明るくなります。
- 毛穴詰まり・開き・黒ずみの改善
古い角質が毛穴に落ちることで起こる、毛穴の詰まり・開き・黒ずみ。毛穴の中の角質も取り除き、きれいにします。
きれいに引き締まった毛穴に導き、すみずみまで美しい印象に。
- ニキビの予防
毛穴につまった皮脂に繁殖する増えすぎたアクネ菌によってできるニキビ。
過剰に分泌した皮脂を取り除きアクネ菌を正常な数にしてニキビを予防します。
ピーリングは非常に注意が必要なものですが、自然由来のやさしいAHAでのピーリングならお肌に負担をかけすぎず綺麗になれます。一度試してみてはいかがでしょうか?
AHAが含まれているアイテム |
BHA
勘がいい方はお気づきかもしれませんね、ここでは「ベーターヒドロキシアシッド」の略称、BHAについてご紹介します。
名前同様その効果も似ているのですが、しっかり区別していただきたいです。
BHAとは?
BHA(β-Hydroxy Acid)はAHAと同様ピーリングに使われ、TCA(トリクロール酢酸)、サリチル酸マクロゴール、サリチル酸エタノールなどがありますが、サリチル酸以外はあまり使われません。
AHAよりも強力な腐食作用を持ち、皮膚のより深層までのピーリングが可能です。
AHAが水溶性なのに対してBHAは油溶性なので、毛穴への浸透が良く、角詮・ニキビ・ニキビ痕・シミに非常に効果的。
かつ、AHAよりも肌当たりがソフトで、ピーリング後のカサつきや肌荒れが少ないのですが、日本では化粧品には0.2%までしか配合できない決まりで、その濃度では十分なピーリング効果が出ない為、市販の化粧品にはAHAと組み合わせて使用されています。この場合の0.2%のBHAは防腐剤として用いられてると考えられます。
皮膚科によるピーリングもAHAが殆どですが、海外の製剤を使ったり、院内で調合している一部の皮膚科ではサリチル酸によるBHAピーリングが可能です。
AHAより若干深いピーリングに用いることが多いです。
危険性はあるのか
AHAは高濃度(50%以上)になるとオーバーピール(予想以上に深くピーリングしてしまう事)をしてしまい易くなりますが、サリチル酸は溶剤にアルコールを使用しているため揮発すれば反応がストップし、オーバーピールの危険性はBHAの方が少ないです。
表皮基底層(もしくはそれより深く)までをピーリングする場合は、サリチル酸によるピーリングの方が高濃度のAHAを用いたピーリングより安全と言えます。
市販の化粧品においてBHAのピーリングを手にすることは日本ではできませんが、AHAと比較してBHAはかなり強力で注意しなければならないものでもあるのです。
日本でBHAピーリングを行うのであれば医療機関へ行くことになるので「やりすぎ」の危険はほぼないと思います。
ターンオーバーの酷い遅れが気になる方は視野に入れてみるといいかもしれません♪
BHAが含まれているアイテム |
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